敷地は自然の力を感じられる恵まれた環境にある。目前には美しい白浜が広がり、その先には広大な青い空と海が続いている。すべての階から海を眺められる空間となっており、1階から3階までのわずか数メートルの高さを移動する中で、全く違う海の景色が楽しめる。建築主の当初からの希望は、「日常の多忙な仕事から解放されて静かに過ごすことが出来る空間」であり、計画にあたっては自然の中に身を投じるような建築を思考した。8本の柱とガラスで構成される建物からは、極限まで無駄を排除し、生活に必要な最少の要素だけを持たせた。二層吹き抜けの大きな空間の中、静かに、ただ海と向かい合う時間を持つ場所の提案となった。