閑静な住宅地にあるこの敷地は、東・西・南の三方を戸建て住宅に囲まれ、約7m×17mの南北に長い形が特徴である。敷地北側を通る道路沿いにあるキンモクセイは、建築主の両親の代からのもので、このキンモクセイを起点として、南北方向に直線的な生活動線を計画した。1階には寝室と浴室、2階の南側にリビングダイニングとキッチン、北側に書斎を配置し、室内の良好な採光と通風のため住宅の中央部には光庭を設けた。キンモクセイの正面に設けられた玄関を入ると、吹き抜けを持つ階段スペースによって、2階のリビングへと導かれる。吹き抜けの上部にはトップライトがあり、四季折々の光の変化や風の流れを室内に満たす空間となった。