園舎のある設楽町は木材の産地としても有名な山間地に位置している。人口5000人程の小さな町にある定員40名の小さな保育園は、室町時代から山頂で住民の生活を見守り続ける福田寺に隣接している。その地域のシンボルとして時を刻み続けるお寺の鐘楼と、こども達の明るい声が響き渡る保育園のテラスを対のデザインとして集落の一体的な風景をつくりだすよう計画した。お寺の裏山から伐採し、残していた設楽の木材を用いて木造の園舎をつくることとし、集落の象徴でもある銀杏の大木を園庭の中心となるよう、その周囲に深い軒先空間を持つ保育室を配置した。全ての保育室からは銀杏の木を眺めることができ、その先に美しい山並みを望むことができる。銀杏の木とともにこの保育園が地元の人に愛される場所となるよう、また雄大な美しい山並みが見守ってくれるような開放的な園舎となるように計画した。共同設計:ジャクエツ環境事業