えびの涼風園は「風景と対話する」というコンセプトのもと、要介護度3~5の方を対象とした特別養護老人ホームである。宮崎・熊本・鹿児島の県境に位置する敷地は、四方を霧島連山などの山々に囲まれた田んぼと川に挟まれた場所である。この地の大きな特徴は、季節や天候により風景が劇的に変わることだ。例えば春の稲作時には水が引かれて周囲は湖のようになり、秋の収穫時には田は黄金色に、山々は真紅に染まる。入居者の多くがこの地に生まれ育った人たちであり、慣れ親しんだ風景に囲まれ、この施設が今を生きる活力を生み出す場所となることが願いである。