敷地は九州山脈の南端、えびの盆地に位置し緑豊かな田園風景に囲まれている。入居者100人の本施設は、医療法の改正に伴い従来の8人部屋から4人部屋への変更が必要になり、既存施設に加えた増築棟の建設が本計画となった。設計に際しては、施設南方に流れる川内川、遠くに連なる山並みの稜線等、さまざまな景観と建物が一体化することをコンセプトとした。1階に病室、2階に機能訓練室と休憩テラスを設けたことで、共用空間である2階から四季折々の風景を楽しめる。川内川に沿って直線に伸びる水平の屋根は、水平線の強調に加えて周囲の景観と一体感を持たせ、建物北側に用いた円弧により既存施設とソフトな関係を創出している。